誰かの日常

どっかの誰かが考えていること。どっかの誰かが悩んでいること。どっかの誰かが生きていること。脳内で生成させる誰かの日常を切り出した永遠の中二病ブログ

ほくとのげん

10月19日。

また1人、大切な人を失った。

 

10月20日の夜。

その日は18時まで仕事だった。

風呂を済ませてから娘と映画を見て、発展途上の後輩と経営会議をしていた。

映画を見終わって、感動で泣いている娘を家に送った帰りに1件の通知。

高校の同級生グループからの通知だった。恐らく5年以上動いてなかったんじゃないかな。

 

そこには、訃報の知らせが届いた。

俺の相方の訃報届けだ。

 

言葉に詰まった。今思えば11月の冷たい風すら感じなかった。

夏に取り残されたみたいに半袖半ズボンで立ちすくんでいた。

メッセージを送ったそいつも、相方と親しいやつだった。

電話をして、内容も聞いた。

これが全容だ。これ以上も以下もない。

 

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覚えてるか。

俺とお前が出会ったのは高校だったな。

4つの中学からの寄せ集めでできたようなクラスだったから

最初はみんな様子見だった。

そんな中でもお前は光ってたよ。

あ、こいつ面白いやつだなって思ったよ。

 

まぁ、負けられないよな。

こちとら小1から面白キャラでやってんだからさ。

 

確か生産っていう授業だったかな。

科目名は覚えてないけど、Mから始まる単位をこたえる授業で

マシンガンって答えて笑いとったんだよな。

そこからお前が話しかけてくれるようになったんだよな。

 

そっからは日々笑いを求め合う仲だったな。

授業中に携帯いじってるのをお互い密告しあったりしてたな。

笑っちゃいけない状況でお互い殺し合ったしな。

本当に楽しい3年間だった。

 

そんな中でお前は恋をしたな。

そのまま結婚もしたな。

結婚式に呼んでくれてよかったよ。

タイミングもあったけど行けたからな。

子供も無事生まれたな。

 

本当にお前の人生は輝かしいと思ってな。

羨ましかったよ。正直。

 

でもな。

それはやっぱり第三者の目線だったらしいな。

お前…無理してたんだな。

強いお前だったから、たくさん無理してたんだな。

嫁さんにも、親にも悟られないほど自分を殺してたんだな。

 

状況のせいにしちまってごめんな。

お前の顔、最後に見たかったんだけどよ。

こんな世の中だろ?

こんな環境だろ?

いろんな事情が混ざり合って、お前に会いに行けない選択を取らざるをえなかった。

本当にごめんな。

 

落ち着いたら、会いに行くよ。

ゆっくり休んでくれ。

 

また、漫才しような。

さよなら。