誰かの日常

どっかの誰かが考えていること。どっかの誰かが悩んでいること。どっかの誰かが生きていること。脳内で生成させる誰かの日常を切り出した永遠の中二病ブログ

小4の夏休みに学校に皆で泊まった。あの日…①

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

いいお題を見つけたので、当時の事をここに記します。

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貴女は誰だったの?

 

❇︎   ❇︎   ❇︎

 

田舎で育った自分にとって、あの時の体験は当たり前だと思っていた。

けど、大人になって社会人として都会で生きる今、記憶に残っている【あの日】は特別だったのだと理解した。

 

小学4年生の夏。

僕の担任の先生は、かなりアクティブな先生だった。

体育会系だからもちろん筋肉もあって高身長だから、男女からかなり好かれていた先生だった。

今となってはそれがいいことなのか悪いことなのか分からないが、クラスを6つの班に分けてポイント制のプレゼント企画までやっていた。

基本的に、学校生活の行動の全てがポイントに反映された。

宿題を忘れずに提出する。

授業中に手を挙げて発表する。

掃除の時に細かいところまで手を回す。

先生から見て、それがいいことであればプラス。悪いことであればマイナスされる。

毎月25日が最終結果発表の日だ。

あの時は理解できなかったが、先生はかなりシビアにポイントをつけていた。

班長にエクセルのシートを配り、どういうところで加点されて

どう言うところで減点されたかを事細かに説明した。

そして、1位の班は黒板に貼られた簡易ルーレットを回し、景品を貰う。

なんの景品があったかは覚えてないが、みんなが狙っていたのは

『先生の家にお泊まりする券』だ。

 

それが当選した班は、1年を通して、結局1班しかなかった。

先生自身も、まさかあんなに小さい当たりに刺さるとは思いもしていなかったみたいだ。

それが『学校に泊まろう企画』を計画する事になったきっかけだと後に先生は語った。

 

先生の家に泊まろう会が執行されたのは、7月1日。

金曜日の夕方にそれは行われた。

男女2人ずつの計4人が先生の家に泊まった。

先生もどんなお泊まり会にしようかと必死に考えたようで

夕飯を先生が作ったり、当時はやっていたゲームを皆でしたりして

楽しんだようだ。

それで終わればよかったのだが、それでは終わらなかった。

「先生あれ何?」

指さされたのは、テレビ棚に陳列されたDVDだった。

「あー、これは怖いDVDだよ。先生好きなんだ」

「へー!見たい!絶対ビビらない」

そんな会話から、度胸試しで有名なホラー映画を見たらしい。

皆さんもよく知る、呪いに怨念と書くあのDVDだ。

 

もちろん親元を離れて先生の家に泊まれるとはいえ、

小学4年生は10歳の子供だ。

あまりに怖い描写が多い事から、当時のみんなは泣き叫び、クレームを恐れた先生は別なテレビに変え、みんなを落ち着かせてから眠りについた。

 

この一連の騒動はクラスの間で話題になり、武勇伝のように4人は語っていた。

そして、うちのクラスに『第一次ホラーブーム』が来たのだ。

 

小4の夏休みに学校に皆で泊まった。あの日…②に続きます。