裏方の裏方を取材した話②
どうも。
過去ブログの続きです
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取材期間は1週間と短かったですが、初日で打ち解けられた甲斐もあり、残りの6日間はより深く色濃い話ができました。
「そもそもキャバ嬢が悪い職業ってイメージがうざい」
5日目の夜、居酒屋でのボイスメモです。僕はほどほどにしようと思っていたのですが、Aさん の話に感情移入してしまい、お酒が進んでいました。かなり酔ってた認識です。
「僕はそうは思わないですけどね」
「嘘。心のどっかで思ってるでしょ。じゃなきゃ本にしないでしょ」
「うーん、あくまでも今回は“世間一般的ではない”っていう核はありますが、僕はこの世間一般のほうには属してないので、悪いって思ってるわけではないですよ」
「ふーん」
ここからしばらくライターの着火音と咀嚼音しか聞こえない空間になってました。僕は何かを考えてたんですが、あまり覚えていません。
「私が多分悪い。ごめん」
「いやいや、僕のほうこそ」
「なんかね……私、本能でしてたわけじゃないから。別にお酒も、S〇Xもそこまで好きじゃないし、男だったら誰でもいいわけじゃないし、単純にお金のことだけを考えて、我慢することだって多かったし、大変なこともあるし、やばいやつもいるし、そんな人たちと一緒のくくりにされるのが若干嫌でやめたの」
本当はもっと複雑な一言でしたが、まとめました。
「でも、世間からしたら真っ当ぶっててもやってることは一緒ですからね。一括りにされても文句は言えないですよね?」
「そこなんだよ。そこが私が耐え切れなかった理由で、馬鹿じゃないのに馬鹿なふりするのとか、やばい同僚と話を合わせたり、つきたくない嘘ついたりするのが無理になったからやめたの」
ここからは若干言い合いになって、喧嘩気味だったんですが、最後は僕たち、私たち、似た者同士だったんだねって仲良くばいばいできました。
結論から言うと、Aさんもやはり真っ当な人間で、どこまでも完璧で、完璧すぎるが故に自分が許せなくなったんですかね。
Aさんは自分の容姿に若干コンプレックスを持っていて、それを改善するためにジムに通い、化粧を勉強して、自分磨きをしました。
しかしどうにもお金が足りない。自分の学力では就職できる場所も限られてるし、やれる仕事も限られてる。だからキャバ嬢になった。
経験がある人ならわかると思いますが、夜の仕事の稼ぎはお店のクオリティと、その人の頑張りによってかなり変動します。必ずしも自分が望む給料をもらえるとは限りません。
それをしったAさんは最初は死に物狂いで頑張りました。プライドなのか、自尊心なのか、メンタル面なのか、もう嫌だとなりましたが、【具体的な嫌だ】が何なのかわからないまま、仕事をやめました。
後悔はしないつもりで辞めたそうですが、やはり金銭面で後悔はしたそうです。
男女問わず、人生には一定間隔でラインが引かれてるんだと思います。
そのラインを超えれば、今自分がぶち当たってる壁を壊せるかもしれない。
そのラインで止まれば、失敗するリスクは限りなく減少し、しばらく安泰。
そのラインから逃げれば、すべてが楽になり、一時的な自由が得られる。
そんなライン。
このラインから一歩踏み出せるか出せないかで、人の一生は大幅に変わると思います。
ただ、自由や安泰を求めるのが人の本質。チャレンジ精神を持ち合わせてる人は少なく、リスクを背負ってまで生きようと人はしませんからね。
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今回はここまで。
また更新します。
それでは。