誰かの日常

どっかの誰かが考えていること。どっかの誰かが悩んでいること。どっかの誰かが生きていること。脳内で生成させる誰かの日常を切り出した永遠の中二病ブログ

夏、蝉の声、花火、君

 

どうも。

今回も完全に惚気。
夏、楽しんでますか皆さん。楽しんでないのを時間のせいやお金のせいにしてませんか?

そういう言い訳はやめにして、裸足で外に駆け出そうぜということで、彼女と休みが被ったら、なるべく外に出るようにしてます。

2人ともアウトドア派で、ドライブも好きだし、景色見るのも、行くのも好きだしで、目的地も何も決まってないけど、とりあえずドライブ行こっか的なノリで数100kmの旅が始まります。

7月は海に行きました。そんなに有名じゃない海。
ちょっとオシャレにいうと知る人ぞ知るプライベートビーチ……とは、言い過ぎかな。
トタンで出来たボロボロの海の家があって、貸し出し用の浮き輪はかなり使い込まれていて、若い子よりも家族連れが多い落ち着いた場所だった。

これが、僕が思い出せる最低限。あとはずっと彼女が視界にいた。
これがまた、夏の似合ういい女なんです。絵に描いたような美人。
色眼鏡をかけている?まさか。僕はメガネが大嫌いなんです。

メインである海や浜辺が一瞬にして背景になる。俺の彼女はそんな素敵な人なんです。

そして8月。
日本三大祭りの長岡花火に行ってまいりました。
12時半に2人で通ってる美容室に行き、着付けをしてもらった。
カーテンの向こうから出てきたのは、浴衣3割り増しどころか、浴衣98割り増しの女神がいた。

どう表現したらいいのだろう。
絶対に手に入らない欲しいものを手に入れた感覚。
お金を払っても、命をかけても一生手に入らない何か。
それが何かもわからない。
それは奇跡。
バラバラに分解された腕時計が流れるプールの水流だけで偶然完成するみたいな天文学的確率を超える奇跡。
大袈裟に物事を捉えるのは好きだけど、これがまだ半分も満たない。
笑っちゃうよね。

会場に着いたのは3時だった。
それでも会場は人の山だった。
車を止めるのも一苦労でした。

それから会場まで歩いて、当日券を買った。2000円のピンクのカードをもらった。これがまた、さっきの手に入らないもの1つになるとは、この時思いもしなかった。

座る場所を確保しなければいけなかったけど、俺たちはシートを持っていなかった。ペットボトルと袋で場所を確保して笑っていたら、隣の若いにいちゃんがシートを貸してくれた。

それから俺の車に入ってる掛け布団のシーツを剥いで敷こうということで、炎天下の中1キロほどの道のりを2往復した。
スーパーで買い物をして、再び会場に戻ったが、まだ5時。
花火開始まではシーツの上でしばらく寝ていた。外で眠るのは気持ちよかった。その瞬間だけ夏が暑さを許してくれた。

目が覚めたのは1時間後。空がうっすらと暗くなっていた。

アナウンスがなる。もうすぐ花火が始まる。

会場が静まり、何とも言えない緊張感が辺りに立ち込める。それをアナウンスが緩和する。時間は刻々と迫り、カウントダウンとともに、女神の目が輝き、口角が上がった。

ドン。
一瞬の静寂を破り、1発の花火が咲いた。

それからは濃密な時間だった。プログラムが進行するたびに、女神はいろんな表情を見せてくれた。
俺はそれだけで幸せだった。心から楽しんでくれている女神を見て、そして花火を見て、俺は夏を感じた。

まるで夢だと思った。嘘かもしれないと思った。
それぐらい現実離れした空間。それに拍車をかけるように、この日最大のプログラムが始動した。

ジュピターと共に打ち上がるその花火はフェニックスと呼ばれている。
5分間にも及ぶその花火は、俺と彼女の中の一生になった。

ここからはもうやめておきます。
まだ終わってない夏を、皆さんも楽しんでください。


それでは。